はじめに。~直感と数学~

私は、算数から数えて十数年、数や幾何や関数に触れてきたと思います。

けれども、今、思えばそれは上澄みでしかありませんでした。別の言い方で言えば“美味しいとこだけ”というヤツです。

でも、それは、“本当の美味しいとこ”では無かったんです。

 

浄水された水も美味しいですが、天然の湧き水の美味しさを、私は知らなかったというワケです。

 

ただ今はもうその美味しさを知ってしまったので仕方がありません。

すでに踏み固められた、幼稚な道かも知れませんが一歩ずつ歩いていこうと思います。

 

さて、復習がてら、算数の二大巨頭に挑んでいくとしますか。

 

~~~

 

学生時代、私の数学に対する主な武器は“公式”と“直観”でした。

直感ではなく直観です。経験や思考に基づく直観ということですね。

 

しかし、直観は時と場合により“先入観”に化けます。

 

0.999… ≠ 1

 

左辺は9が循環する無限小数です。

一見、コレは当たり前のように思えますが、実は誤りだったのです。

 

まず、順序としてはこうです。

 

x = 0.111… と定義します。

10x - x = 1.111… - 0.111…

9x = 1

x = 1/9

ゆえに 1/9 = 0.111…

 

9 × 1/9 = 1 より 1/9 に 0.111… を代入し

9 × 0.111… = 1 

ゆえに 0.999… = 1

 

どこかおかしい箇所はありますでしょうか。

 

では同様の考えで他の事例も考えてみましょう。

 

1/3 × 1/3 = 1/9 より 1/3 に 0.333… 、1/9 に 0.111… を代入します。

0.333… × 0.333… = 0.111…

 

しかしながら、 3 が循環する小数の最小の位は当然 3 になります。左辺はその2乗なので最小の位は 9 になります。一方、右辺は 1 が循環する小数です。最小の位は 1 ですね。

これは矛盾しているように思えます。

 

実はこの例には同じ操作が隠れています。

循環小数の掛け算という点です。

 

小学校の時に立ち返ります。

掛け算の筆算は最小の位同士の計算から始めますよね。なぜなら繰り上がりを考慮する必要があるからです。

だから、掛け算といえば、最小の位を探そうとするのです。

 

ところが、循環小数は“無限小数”。そもそも最小の桁など存在しないのです。

 

これは先入観という直観です。小学校という初等教育の中で芽生えた直観。

万能に見えた筆算の弱点なのです。

 

だからこそ、この間違いが多くの人に支持されるわけです。必ずしも習っているとは限らない“無限”よりも必ず習う“筆算”の方が理解されやすいですから。

 

考えるとするなら、前者はともかく、後者は当然以下のようになります。

 

“最小の位は存在しない”ので、今、分かっている最大の位から求めていきます(繰り上がりには気をつける。)。

筆算は各位の積の和を求めていくので、以下のようになりますね。

 

まず、各位は全て 3 なので、その積は 9

最大の位は 9 の1つ分の和なので

9 (繰り上がりは 0 )

次の位は 9 の2つ分の和なので

8 (繰り上がりは 1 )

同様に

7 (繰り上がりは 2 )

6 (繰り上がりは 3 )

5 (繰り上がりは 4 )

4 (繰り上がりは 5 )

3 (繰り上がりは 6 )

2 (繰り上がりは 7 )

1 (繰り上がりは 8 )

9 (繰り上がりは 0 )

・・・

 

繰り上がりを考慮。

 

1

1 ( 9 の位)

1 ( 8 の位)

1 ( 7 の位)

1 ( 6 の位)

1 ( 5 の位)

1 ( 4 の位)

1 ( 3 の位)

1 ( 2 の位)

1 ( 1 の位)

1 ( 9 の位)

・・・

 

これで無限小数 0.111… が導けましたね。

 

私はこれまで直観に助けられてきました。当然その直観が正しかったからですが、間違った直観を否定するのは生半可ではありませんでした。

 

だから、これで確かめる事の重要さを知り得たということです。

 

では前者はどうなるでしょうか。

 

9 × 0.111… = 0.999…

これには、繰り上がりが存在しませんよね。

 

つまり 0.999… = 1 は正しかったのです。

 

不思議ですね。

ここまでくれば、循環小数とはどんな数なのか気になりますね。

 

また次回。